大人と先生が大嫌いな高校生に読書感想文でオススメしたい『レヴォリューションNo.3』
「君たち、世界を変えてみたくないか?」
オチコボレ男子校に通い、死んだような毎日を送っていた「僕たち」は生物教師ドクター・モローの言葉で突如生き返り、世界を変えるために行動を開始する。その方法は―難攻不落のお嬢様女子高の学園祭に潜入してナンパすること! 果たして「僕たち」の潜入作戦は成功するのだろうか!? 革命的おバカストーリーが炸裂する、ザ・ゾンビーズ・シリーズ第1弾!
最高に娯楽性の高い小説です。そして登場人物が面白いです。
まず、日本とフィリピンのハーフで、9歳のときに近所に住む35歳の人妻に童貞を奪われた魅惑的な容姿のマギー。
「将来、俺は本物のコスモポリタンになるんだ。そのためには普遍的な武器が必要だ。それがなんだか、分かるか?」ポカンとしている僕たちに構わず、アギーはニヤリと笑って、答えを言った。
「マニー(マネー)とピーニス(ペニス)さ」(p17)
在日韓国人で、ケンカがクソ強いけど、授業中に西田幾多郎の『善の研究』なんかを読んでる舜臣。
この小説は、個性豊かな高校生たちが「世界を変える」物語です。
わかりやすく言えば、
なぜ、君たちはバカなのか?それは全て遺伝のせいだ。君たちの親で高学歴はいるか?いないだろう。この世の中を支配しているのは勉強ができるやつだ。そして、そいつら同士でくっついて、また勉強ができるやつが誕生する。
だからこそ、遺伝子戦略で高学歴の人間たちが群れ集まって形成している窮屈な階級社会に風穴を開けてやれ!「新しい遺伝子を創造してやれ!」(byドクターモロー)
と革命を煽られ、主人公らが考え出した革命の方法。
それが、近くの超名門お嬢様学校へのナンパ作戦となる。
遺伝子を交わらせるため(笑)、ナンパ作戦のために女子高の学園祭に侵入するという話です。
これだけ見ればアホみたいな話です。まあ実際アホです。巨大なペーニスを持つアギー、ケンカが半端ない舜臣、難病をもつヒロシ、主人公が女子高の学園祭に侵入する話ですから。
けれども、中高校生が友情、生、差別などをリアルに感じることができて、かつ、バカ笑い出来るすごい小説です。
マジでオススメです。
意外かもですが、女性にもオススメできます。
男子ってなんでこんなにアホなんだろう?でもそんな男子が少し羨ましい的な視点で楽しめると思います。
似たような小説では、『キケン 著:有川浩』、『4TEEN 著:石田衣良』も超オススメです。特に有川浩さんの『キケン』は女子受け抜群だと思います。