公安がどうやって尾行しているか知ってますか? 『日本の公安警察』
警察がどのように捜査をしているのかみなさんは知っていますか?僕はドラマのイメージしかありませんでした(笑)。そこで、警察の捜査について学びたいと思って偶然書店で見つけたのが、『日本の公安警察』(著 青木理)です。
公安=怖い?
公安=刑事ドラマ?
この本を通して、
・公安がなぜ作られたのか。
・公安がどのような操作をしているのか。
を僕はほんの少し理解することができました。
公安がどうやって尾行をしているか知っていますか?
公安の仕事の一番大切な任務は情報収集だそうです。その情報収集をするための手段がが7つあり、それが
「視察」「聞き込み」「張り込み」「尾行」「工作」「面接」「投入」
だそうです。その方法がかなり細かく書いていて、ここがめっちゃ面白かったです。ですから、まず3章から読むことをおすすめします!
1章、2章は、簡単に言うと、公安の成り立ちと経緯についてです。内容を要約すると、戦前に反政府主義者、反戦を訴える人々を徹底的に弾圧、拷問をしてきた特高警察が敗戦によって解体されました。そして、その特高警察の特徴は、極めて強い中央集権的な組織体制にあったそうです。一時は、地方分権化された警察組織になったのですが、戦前の支配者層(警察、軍部、政治中枢の人間など)の強い意志によって、1950年代半ばには中央集権的な警察組織ができてしまったそうです。そしてその中でも、公安はとりわけ中央集権的な色合いが強い組織になったそうです。
著者の青木さんに怒られるかもですが、僕のブログを読んでくれた人は、1章、2章は、無視して、一番面白い3章(情報収集のための捜査技術7つ)をはじめに読んだほうが良いと思います!(笑)
そして、4章、5章では具体的な事件に対する公安の捜査について書かれています。ここも結構面白いです!
実は、この本を読もうと思ったきっかけの1つは、国会で話題の共謀罪について考えてみたいと思ったからです。共謀罪って何?っていう人は、この記事の一番下に
・共謀罪とは何か?
・専門家が共謀罪にどのように考えるか?
について、有益だと思えたサイトを紹介していますので、是非ご覧になって頂ければと思います。
法律(刑法)に関して、日本で最も専門家である、刑法学者の反対声明です。共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明
日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:共謀罪法案対策本部 パンフレット「合意したら犯罪?合意だけで処罰?」(五訂版)
世田谷区長の保坂展人の文章が凄くわかりやすかったのでおすすめします。
法務省から、共謀罪が危険なものではないという説明です。(僕は同意できませんが、いかがでしょうか…)
僕は、権力の肥大化に対して、強い警戒心を抱いています。「絶対権力は、絶対腐敗する」という言葉があるように。保守論客の小林よしのりさんも、1月17日のブログで、共謀罪について強い懸念を示されています。
監視社会化がますます強くなり、僕たちが生きにくい社会になることに対して、僕は最大限警戒心を抱いています。
【ほっこり幸せな気持ちになる】『阪急電車』(有川浩)
隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車――人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。
(裏表紙より引用)
なぜ、「阪急電車」を僕がおすすめするのか?
この小説は、読むと幸せをおすそ分けしてもらえる「ほっこり」する小説です。決して起承転結の激しい、読ませる内容ではありません。
ローカル線を舞台に、様々な思いを抱えた人々を乗せて、そんな彼らが少しずつ関わり、1人1人に希望の物語が紡がれていく話です。
宝塚駅~西宮北口駅の間の8駅を1話1駅ずつ進む形です。宝塚駅からスタートして、西宮北口駅に着いたら折り返して宝塚駅に戻る。全16の短編からなる1冊です。1話1話、どの話もすごく中身が濃いです。ウルっとなったり、笑ったり、共感したり、ニヤニヤしたり。
幸せは意外と身近な所に転がっているのかもしれない、小さな幸せを外に出て探したくなる、そんな魅力を感じさせてくれます。
ずっとしようと思ってるんですが、実際に阪急今津線(西宮北口駅~宝塚駅)に乗って、ぶらっと適当に降りて、散策して、気になったカフェとかにふらっと入って…ていう旅をしたいな~と思ってるんですが、まだしてません(笑)。
ちょっと家から遠くてできてませんが、もう少し温かくなったら(3月くらい?)してみようと思います。
有川浩さんは映画化、ドラマ化でもあまりにも有名ですが、他にも素晴らしい作品が数々あるので、本ブログでもおいおい紹介していきたいと思ってます。
以下など、好みに合わせて読んでみてください!(僕は図書館戦争は少し疲れてしまいましたが(笑)、でも以下の3つはどれも魅力的でした!)
・ガチガチの甘々恋愛小説が好きなら「図書館戦争」
・高知県の魅力を伝えるために奮闘する市役所の人を描いた「県庁おもてなし課」
・失った青春をノスタルジックに、或いは青春なんてなかったという僕のような人が羨む気持ちで、男子大学生の青春を味わう「キケン」
以下は、「キケン」についておすすめしている僕の文章です。
クソ面白い社会学の入門書「古市くん、社会学を学び直しなさい!!」
古市くん、社会学を学び直しなさい!!
著者 古市憲寿
対談相手 小熊英二、佐藤俊樹、上野千鶴子、仁平典宏、宮台真司、大澤真幸、山田昌弘、鈴木謙介、橋爪大三郎、吉川徹、本田由紀、開沼博
最高の入門書に出会うことが、できた。
テレビで良くも悪くも話題の古市さんが、日本を代表する社会学者12人に「社会学ってなんですか?」と問いかけ、対話するという形式で進みます。
この本は、これから社会学を学びたいと思っている人に向けてはもちろんのこと、社会学って何?と全く興味がない人が読んでも面白いと思える可能性が限りなく高い1冊になっています。
なぜこの本を僕がめちゃくちゃオススメするのか?
この本の構成を社会学ではなく、サッカーに例えるとどんな感じか?
今期待の若手サッカー選手「柴崎岳」が日本を代表するサッカー選手、中村俊輔、中田英寿、中村憲剛、本田圭佑らスター選手にインタビューをする。
・あなたにとってサッカー(社会学)とは何ですか?
・サッカー(社会学)の魅力は?
・あなたの得意なプレイ(専門の研究分野)について教えてください。
・なんでサッカー選手(社会学者)になったんですか?
そして、このインタビューを通じて、サッカーの魅力(社会学の魅力、社会学とは何か?)にほんの少しだけ読者にも感じてもらおうという、「入門書のための入門書」となっています。
古市さんは、数々の問題発言などでも有名です。実際、僕も…となったものもありました。しかし、インタビュアーとしての魅力は間違いなくありました。大御所社会学者とのコミカルなやり取りはバラエティ番組を見ているかのような面白さを感じることもありました。
そして、この本の良さは、1人たった20ページしかないのに、1人1人の人となり・キャラクターというものを何となく感じ取れるとこにあります。この社会学者の人のことをもっと知りたい、さらに社会学を深く学びたいと、僕自身が感じています。小熊さん、宮台さんなどは、色々なところで拝見をしていましたが、大澤さん、本田さん、開沼さんなどの本も読みたいと凄く感じています。
そして、僕がなぜ社会学に少なからず関心を抱いているのか、うすうす感じてはいたのですが、それをこの本を読んではっきりと自覚することができました。
すごく良い読書体験ができて感謝したいです。
この本を読んでから、以下の「社会学講義」を読むと良い気がする。