すなめりくんの読書ブログ

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これまでの人生で読んで良かったと思う本を紹介していきたいと思います。

【子育てに悩むあなたに】子育てが楽しくなる魔法の本をおすすめ!

 子どもを信じること 作者:田中茂樹

子どもを信じること

子どもを信じること

 

不登校になった子どもに悩んでいる。

反抗期の子どもに悩んでいる。

勉強しない子どもを怒る自分に疲れてる。

子どもが何を考えているのかわからない。

子育てが辛い。

子育てが苦しい。

子育てに悩み、苦しんでいるあなたに是非読んでほしい一冊です。

 

 奈良県佐保川診療所で医師として、様々な子供や保護者と長年向き合ってきた田中先生が、子育てに悩む親に向けた励ましのメッセージがつづられた本です。

 この本の特徴として、著者の子育て論が長々と書かれたものではなく、先生がカウンセリングしてきた保護者とのやりとりや、その子供の変化などが具体的なエピソードとして紹介されています。なので凄く読みやすい点もお勧めの理由の1つです。

 僕はまだ24歳で、子育てなどもちろん経験はありませんが、これまでの人生で読んだ本の中で最も影響を受けた1冊で、最も、感動した本の1つです。

 

 田中先生の子育てに関する考えの基本が「子どもを信じること」です。子どもに小言を言わず優しく接することの大切さを強調しています。田中先生も4人の男の子をもつ父親ですが、その考えを表す象徴的なお話が載っていました。(少し長いですがニヤニヤするお話です)

 わが家の四男がまだ四歳の時のことです、彼が「牛乳飲む!」と言いました。私が「入れようか?」と聞くと、彼は「自分で!」で答えます。

 それまでずっと親が入れてやっていたのですが、見ていると、自分で椅子を冷蔵庫の前まで運んで、椅子に登って扉を開けました。牛乳パックはいかにも子どもには重たそうですが、両手で持って取り出します。危なげに運び、食卓の上に置いて、続いてコップを出してきました。牛乳パックの口のところを、ぐちゃぐちゃに触って広げています。それを見ていると「そこを手で触ったらばい菌が牛乳に入ってしまう」と言いたくなりましたが、なんとか辛抱しました。

 いよいよコップに注ごうとして、牛乳パックを持ち上げ傾けましたが、持っている位置が明らかに低すぎます。案の定、一気にどっと牛乳が出て、牛乳パックを落としそうになり、コップも倒れました。

 彼は「あっ!」と小さく言って、ちらっとこちらを見ましたが、すぐに「タオル、タオル」と風呂場の方にかけていきました。バスタオルを持って戻ってきて、自分で床やテーブルの牛乳を拭きました。

 「そういう時はバスタオルではなく雑巾で拭いて欲しかったな」と心の中では思いましたが、なんとか口に出さずに我慢しました。

 このあたりで私は彼を見ていることが楽しくなってきました。拭き終えた彼は私の方を見て「拭いたよ」とだけ言いました。そして、大分軽くなり持ちやすくなったパックを持ち上げて、牛乳をコップに入れて飲みました。こちらはなにも言いませんでしたが、自分から牛乳パックは冷蔵庫に戻しました。

 冷蔵庫の前まで運ばれた椅子はそのまま、牛乳を拭いたバスタオルもそのままでした。タオルはすぐには洗濯機に入れずに私がちゃんと洗面所でもみ洗いして、染み込んだ牛乳を洗い流しました。

 このような場面で、最初から「君がやったらこぼすから」と言って、子どもにやらせないという接し方もありえます。また、子どもにやらせるにしても、運び方や注ぎ方などいろいろと注意をして、失敗させないようにすることもできます。後片付けについても、椅子も拭いたタオルも元に戻すように言う人もいると思います。

 しかし、私は、こういう場合に極力なにも言わないことにしています。それは、成功も失敗も、子ども自身にきちんと味わってもらいたいと思っているからです。そして、子どもがそのような体験をすることを、邪魔せず見守りたいと思っているからです。

 牛乳をコップに注ぐことについては、同じような場面がその後もしばらくありました。こぼしたのははじめの頃の数回だけでした。

上手く注げた時も「お! 上手に入れられたね!」などの言葉はかけませんでした。こぼした牛乳を彼が自分で片付けた時も同じです。とはいえ、けして無視しているのではありません。彼もまた、私がそこにいて、自分のやっていることを見ていることは分かっています。私は子どもに「君のやっていることを見守っているよ」というメッセージを送っているつもりです。監視しているのではなく、関心を持って見ているのです。そして、失敗しても口は出しません。

 

以上の田中先生の四男に対する接し方を見てわかる通り、田中先生が言う、「子どもを信じる」ということは、

都合よく考えて放任することではないのはもちろん、見守っていれば失敗しないだろうと信じるのでもありません。そうではなく、失敗するかもしれないけれども、失敗してもまた立ち上がる強さを持っていると信じるのです。自分の子どもは信じるに値する子だ、大事にするのに値する子だと信じるのです。親から信じてもらえることこそが、子どもにとって決定的に大切な勇気の源になります。

という考えが込められています。

 

 これを読んで、「いやいや、それが良い接し方かもしれんけど、そんなん無理やわ、理想論やわ。心理の専門家の先生やからできるんやろ」と思われる方も多いのではと思います。

 そんな田中先生も子供のことを想い、苦しんでいたエピソードが紹介されていました。

 私も、長男や次男が小さい頃は、かなり厳しく彼らに接しました。テレビは家に置きませんでしたし、当時すごい人気だった任天堂のゲーム機「ゲームボーイ」も買ってやりませんでした。祖父母から与えられたゲーム機で隠れてゲームをやっていた現場を押さえた時、怒って(叱って、ではありません)子どもたちの目の前で壊したことさえありました。

 私は、どうすることが子どもにとって一番良いのか、いつも悩み、つねに必死でした。親がしっかり導いてやらないと、きちんとしつけてやらないと、子どもは幸せになれないのではないか。私の心は、育児に関する不安で一杯になっていたのだと思います。

 

「子どもを信じる」勇気をもらえる本です。それは言い換えると、親である自分自身を信じることができるよう、勇気を与えてくれる本です。これまで24年間の人生で、1番人におすすめできる本です。手に取って頂ければ幸いです。育児に苦しんでいるあなたにとって少しでも救いになれば書いた僕もうれしいです。

 

 最後に、この本の一番最初に書かれている言葉で、僕の母が、また不登校の息子を持つ叔母が読んで涙を流した言葉を紹介したいと思います。

母親は子どもに去られるためにそこにいなければならない