【読書感想文におすすめの一冊 対象:高校生】 転換期を生きるきみたちへ
「転換期を生きるきみたちへ -中高生に伝えておきたいたいせつなこと-」
著者 内田樹、加藤典洋、高橋源一郎、平川克美、小田嶋隆、岡田憲治、仲野徹、白井聡、山崎雅弘、想田和弘、鷲田清一
中高生に一番伝えたいことを、11人の方が、語る本です。ジャンルも、バラバラ。働くこと、人口減少社会について、消費社会について、科学者について、言葉について、政治について、などなど、それぞれが今一番伝えたいことを書いています。
中高生以外の大人の方にも新しい価値観や物の見方に出会うことができるのでオススメします。
なぜ読書感想文としてオススメなのか?
それは、1つ1つの話が短いから(笑)。1つ1つの話が約20~30ページ。だから、興味を持った話をいくつか読んでみて、感想文が書きやすいものを見つけたらそれを書けばよい!
読書嫌いな人に最適の一冊です!(笑)
ただし、読書感想文を書きやすい話もあれば、非常に書きにくいものもあるのでそれは注意してほしい。
個人的には
・13歳のハードワーク(小田嶋隆)
・社会に力がついたとき(鷲田清一)
・消費社会とは何か(白井聡)
あたりが書きやすいんじゃないかと思う。
「13歳のハードワーク」では、職業と夢をくっつけて考えることに疑問を投げかけています。そして、夢(将来の職業)のために努力をすることが無意識のうちに強要されている現状に疑問を投げかけています。例えば、「夢をもちなさい」「夢があってこそ、人生は輝く」というふうに。そして、その夢のために努力(勉強など)をしなさい、と。
また、13歳のハローワークに代表されるように、将来の職業に自分の自己実現をくっつけて語ることに疑問を呈しています。(例:自分の個性にあった仕事を見つける。自分探し、的な感じ。)そうではなく、職業は、働くことは単なる金儲けと考えるのも1つじゃないか、と。
僕も、この考え方はすごく共感できた。僕は教員になりたかったから、教育大を志望し、教員を目指すという進路選択が簡単に決まったが、そんな人は絶対に少数だと思う。
何をやりたいかわからない。だけど、とりあえず進学する。
これの何が悪いんだ。
何をやりたいかわからない。だから、とりあえず進学する。
それでいいんだとすごく思う。
やりたいことを探して大学に行く、そこで見つかればいい。
見つからなかったら、とりあえず飯を食っていくために働く。
進路選択に悩んでいる学生は、自分の境遇などと関連つけて、感じたことを書いたらまあまあいい感じになるんじゃないだろうか。
個人的に面白かったのは、鷲田清一さんの「社会に力がついたとき」。
今まであまり深く考えたことがなかった社会というものを、こんな斬新な視点でとらえることができるのかと思った。自分や家族の身の回りで起きていることなどと関連付ければ読書感想文をさらっと書けると思う。