百瀬、こっちを向いて 【おすすめの恋愛小説】
百瀬、こっちを向いて
著者:中田永一
「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまではー。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった…!」
恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。
(裏表紙より引用)
この小説は、本の題にもなっている「百瀬、こっちを向いて。」に加えて、
「なみうちぎわ」
「キャベツ畑に彼の声」
「小梅が通る」
の全4編の短編小説からなっています。
この本の魅力として、解説を書いている瀧井朝世さんは、
ソーダ水のような爽やかな甘み
と表現していて、僕も同じように感じました。
登場人物が、高校生から20代前半の恋愛小説ですが、チョコレートのような甘さではなく、またドロドロとしたものでもなく、死が絡むような波乱万丈で起伏が激しいストーリーでもなく、淡々として、ちょっぴり切ない、けれども爽やかな読後感を得られる1冊です。
登場人物が高校生~20代前半ということもあり、中学生、高校生はもちろんですが、恋愛小説はちょっとな…という人にもオススメできる1冊です!